婆さんの繰り言 ●管理者用
 



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No.98 我が友、逸見。其のU
 
2006/10/19 (Thu)
『おしん』で出会って何年かが過ぎた或る日、私はロケ先の浜田山の古いアパートで二階への外階段を上がろうとするポーズを取ってスタンバイしていた。
向かい側の同じアパートの別棟の一階の窓が開き「ハナぁ」と言われて仰天した。
今迄寝てた風の乱れ髪のワンレンヘァーに寝巻きで、普通は人目に曝したくないようなぐっちゃぐちゃな倉庫のような室内の窓を堂々と開けて、監督及びスタッフに「○○事務所の逸見でーす。宜しくお願いしまーす!」と叫んだ。

正直、顰蹙を買った。

が、この日から私は逸見の曰く「親友!」になった。

撮影現場にやって来て、メインの大物さん達に仲間口をきき「ハナの付き人で○○事務所の逸見でーす」と言うのだから始末が悪い。
私が連れ込んだ事になって、私が仕事を失う羽目になってしまうが、この時は私もまだ迂闊で、何処?と訊かれてまさか来るとは思わずに東伏見だと言ってしまったから、以降気を付けていて絶対に仕事に行く話はしない事にしている。
私の事務所にも「言わないでね」と言ってある。

で、なんで、親友か?って?
いえさ、彼女が「親友です」って言うんだわ。

「違う!違う!」って片っ端から言って歩くのも疲れるし、ま、ほっとくことにして、なるたけ近寄らない事にしようとは決めたのだが、だがしかし離れていても災難は来ると或る日判明した。
彼女から「昨日『はぐれ刑事』の撮影に行って来たの。藤田まことさんにハナの事言っといて上げたわよ。よく知ってますよっていってたわよ」との電話で「アーチャラマッカスッチャラマッカ!」と思った。
他人巻き添えにするなーっ!
離れていても其の手が有ったのか?ギェーッ!

だってそうじゃない?あたしが嫌われてりゃあいつがとばっちりだし、あいつが嫌われてりゃこっちがとばっちりを喰うわけで、どっちにひっくり返ったってろくな事にならない。
しかし、逸見は自分を売り込みたい一心で何でもいいから食い込もうとする。
シェークスピア物の舞台を(これは私が誘って、スケジュール空いてる奴見付からなくて、無料券貰ったから)一緒に観に行ったら「知ってる人出てるぅ!」と、いつものように言ってその人の楽屋を訪ねて行った彼女が「なんか知らない人みたい?!」と戻って来た。
私は誘われたけれど楽屋には付いていかなかったから向こうの反応は判らない。

暫くして彼女は言った「解ったわ!知らない筈よ。夫から聞いた名前だったわ!」と。
誰とでも何とでも知り合いになって、仕事に結び付けようとしている逸見。

遣り口こそ違うけれど、私も色々作戦立てるし、じっとお仕事待ってる人じゃないから、何処か逸見と通じ合う部分が実は有る。

だから、伐り切れないのかも・・・・。





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